大御所の水槽設置から5年が経過して、趣向が変化してきていた。
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最近、は深場の魚に興味が多いので900x600x600では手狭になってきたマスクドエンゼルやイエローアンティアスのペア、ハワイアンロングフィンアンティアス、ネオンラスなどのハワイのDeepWaterFishや1500のスパニッシュフラッグ、キャンディーバス、デベリウスなどを一緒に深場の水景で飼う事に変更した。
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さすがに、10cmから20cmに成長したクラリオンAは一緒に飼う訳にはいかないのでかわいそうだが900に引っ越してもらいました。
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この数年は、ミドリイシを飼える水質にするためにEcoPhosで必死にリン酸塩を吸着していましたが、最近は水槽内で繁殖してきたホンハナマツムシの食害に嫌気がさしライブロックも底砂もすべて入れ替えリセットすることにした。
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ただ、ボーリングメソッドで綺麗に石灰藻がついた岩も多いので勿体無いのでちょっと実験してみた。
引き上げてきたライブロック約40Kgを真新しいレッドシーソルトで作った海水100Lに漬けてエアレーションと水中ポンプで攪拌して水質測定をしてみた。
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実験開始から数時間で早くも硝酸塩が25、燐酸塩が0.5以上1未満となった。 翌日再度測定すると硝酸塩も25以上で燐酸塩も1以上になり、2日後には両方とも測定不可能な比色の反応になった。
もう一度全量の海水交換をして測定したが3日目にはいずれも測定不可能になる。その間アンモニア0.25亜硝酸0.05と測定した数値にはほとんど変化無く一定の数値を示す。
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その後、2ヶ月に渡り継続した結果最初の1ケ月は全量海水交換して1週間は燐酸塩0.5~1、硝酸塩5~10になり2週間目には燐酸塩1~2、硝酸塩10~20に上昇する。その間もアンモニア0.25亜硝酸0.05でまったく変わらないが、2週間に一度全部海水を交換して2ヶ月目に入ると燐酸塩は0.5以上には上昇しなくなり、硝酸塩も20を越える事がなくなってきた。
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5年間魚を乱舞させたReefTankのライブロックは何時の間にか吸着剤の様になっていることが実証された。これ、たぶん同様の事が底砂にも言えるのではないだろうか?
ライブロックが髭ゴケに覆われるようになってくると燐酸や硝酸塩が蓄積し放出されている可能性がある事を疑ったほうがいい。石灰藻に覆われて一見綺麗に見えて藻が生えていなくても燐酸の吸着剤を使わないとリン酸値が上昇するようだとライブロックが吸着剤となっているだろう。

偽岩を用いて岩組みをした時に初期において灰汁抜け出来るまでは嫌な藻類の発生に悩まされる事が多い、過去にコラレンウェルトのバックウォールをそのまま使って立ち上げた水槽では1年間は大変な思いをした。 ただ、この水槽はその日から照明を400Wの10000Kを3灯着けカルシウムリアクターも動かしていた。勿論、水槽のリセットでの事でサンゴや魚をその日から入れていたので仕方ないが新規で立ち上げるのならもっと慎重にしなければ大変な労力と散財をすることになる可能性がある。
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EcoSystemを後付けで追加した水槽で藻に覆われたりシアノに悩まされるという報告は、この辺に原因が有ると思う。元の水槽の水質やライブロック、底砂が問題を抱えている事を見過ごして野生的な感?根拠の無い自信で飼育しているのではないか?

ベルリンシステムが普及し水質、光量、水流、栄養などの有益な情報が広く知れ渡り、科学的な実証や実験も多くなされている。
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ナチュラルシステムとしてZoevit、EcoSystemと広がり、そのメソッドも理解せずに良い部分だけを取り入れて失敗している人も多い、自作、コピーも悪いとは言わないが考案者のメソッドを良く理解し、その労力に敬意を払うくらいの気持ちを持って飼育して欲しい。