OSCI MOTION Wave

CORAL REEF TANKの飛躍的な発展に貢献した神器としてプロテインスキマー、カルシウムリアクターやメタルハライドランプがあげられるが、この数年は水流装置がめざましい発展を遂げている。

私が、13回MACNAで見つけて持ち帰ったSEASWIRLは昨年水族館大型水槽用の40A仕様を販売開始した。これは配管を接続すると90度に出口が往復する商品でモーター電源で動いている。


その後、ドイツのTUNZEが発売したWaveBoxは揺り籠のような往復流を再現し注目を集めた。そしてVortecMP40がマグネット電源部分とインペラー駆動部分を水槽に挟んで設置する画期的なデザインを採用し、ワイヤレスで同期させて複数で様々な複雑な水流を作り出した。


そしてTUNZEのMasterStreamPumpがマルチコントローラーを併用することで小型ながらパワフルでより水槽に適した水流を再現することが出来るようになった。


なぜ水流が大事かというと水流の良い水槽と悪い水槽では水質に大きな違いが表れるからで、ライブロックによる濾過において複雑に入り組んだ岩組を隈なく通り抜けるような水流が微生物の活性化を促し、デトリタスを沈殿させずに濾過槽に落とし、プレフィルターで濾しきれなかった汚れをプロテインスキマーが取り除き、スキミング時にミキシングされた空気をたくさん含んだ海水がライブロックのバクテリアを活性化させる。


この流れを無駄なく繰り返されることで、より良い水質に近づいて行くのである。
そのTUNZEのMaster Stream PumpをSeaSwirlの様に90度リターンさせる装置がOSCI MOTIONである。 


この装置で作られたサンシャイン国際水族館のサンゴ展示水槽は順調にサンゴの成長を見守っている。
私は、今この夏にリニューアルするサンシャイン国際水族館のいくつかの展示水槽の設備に関して携わっている。 


ラグーン水槽6mx2mx1,8mではTurbelle®MasterStream6515毎時50000Lから150000Lというハイパワーな水流装置を60度2分前後で往復する装置を製作している。構造的には簡単そうに見えるが造るとなるとかなり難しい。低速で安定させる、速度調整機能が欲しい、故障時の交換やメンテナンス性等。水槽設備は配管が接続され海水が回りだしてからの微調整が重要なので、微調整が可能な装置を作らないといけない。


その為には、ゼネコンの監督に罵声を浴びようと飼育者の立場で考察を繰り返し、現時点で最高の物を納めたい。
最高級のシステムは予算の都合であっさり却下されたのだが。出来るだけシンプルな装置でも可能な限り微調整出来るように作ってあげたい。机上論が当てはまらないのが生き物を飼う事だから。

<< 2011年03月23日 >>
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