調査から戻った私は、工事に追われる。帰国翌日京大医学部先端医療研究室の水槽移転工事に駆り出される、遺伝子などの実験するメダカの為に1日でキャンパス内の違う部屋に移動。朝10時より夜9時半までびっしりとかかる。医療の進歩の為に尽力する。
翌日から週末の那須高原の中華点心レストランの水槽の組込みに追われる。遠方の工事になるので
一発勝負であった。問題は壁面の額縁に水槽の底と水面を合わす事だ。水槽は、ステンのアングルにアジャスターを付けてあるので上下出来るが濾過槽は床置きだ水槽側面のオーバーフローの高さを濾過槽とどう調整するかが問題であった。現場は往々としていってみないとわからないものである。
案の定、指定した位置と違う場所に電気のコンセントが有る。打合せではステン架台の下に持ってくることになっていたのに・・・・・ぼやいてもはじまらないので中で結線して壁際を回して側面に取り出す。
建築現場はいかに手を抜くかが利益みたいになるので余分な事は一切してくれない。こちらもそのつもりであれこれと事前に用意する。 今回のヒットは濾過槽の下に20Aのパイプを3本貫通させておいたことだ。これにより排水や電線を無理なく送ることが出来た。
今回はポンプやクーラーなどのメンテナンスに大阪から対応するのは難しい距離なので、水槽設備設計
オオムラの大村さんにお手伝いいただいた。10年前に葛西臨海水族園の工事でご一緒に仕事をさせていただいた。それ以来、葛西水族館にスキマーの設置などがある度にお願いしている。
特に大村さんが得意とするのは冷凍機で、今回も1馬力の冷凍機の設置と調整をしていただいた。プロフェッショナルなエキスパートが少なくなっているので大村さんも大忙しだ。
私の工事に2日お手伝いいただいた翌日の
深夜は横浜のヨシモト水族館の工事に行かれたみたいだ。熱帯魚屋さんのする工事と水族館などの公共工事とではレベルが違うと思う人も多いが、最近ではマニアの水槽のほうが進んでいるので、その水準は水族館の上を行くのが当然となっている。私達は常に、このレベルの基準で工事をしています。
完成時が最高でその後はリスクが高くなるような工事は出来ません。機械は故障するものとして、ポンプやクーラー、スキマー、リアクターも取り外しが簡単に出来るように組み込まないといけません。
屋外に出る配管はHIにするとかTSなら被覆管を巻くなど、当たり前でホースで接続する部分は硬化しにくい素材のホースを使う、間違ってもカナフレックスのような透明の蛇腹のホースは屋外の圧力のかかる配管には使用しない。止むを得ない場合は距離を出来るだけ短くして紫外線が当たらないように保温管などで被覆する。エーハイムのホースなどを見れば良く解るが、経年劣化で硬化して抜けることが有る。水槽周りは過酷な環境であることを理解し、良いものを選択しリスクを低減することが重要です。
私は予定通り、2日間の工事を終えて東京に向かう。