大阪の郊外松原市にPaseo熱帯魚館というお店が有ります。親会社はコトブキ工芸で淡水魚、金魚、爬虫類、そしてサンゴ、海水魚のお店です。このお店の入り口に国内最大級の2mのEcoSystem水槽が有ります。Leng 氏は日本に来るたびに此処にある水槽をチェックしています。
お世辞にもレイアウトが良いとは言えませんが、サンゴや魚のコンディションは上々である。この水槽は、スキマーもついていません。それでも、アクロポラが成長するくらいの水質で魚もコンスピ、ココス、などの高級魚も入っています。
こういう水槽を見ると昔の濾材の沢山はいった大きなウェット濾過はどうだったんだろうとかんがえてしまいます。満タンに濾材をいれて魚屋で捌いた内臓もらって、掘り込んでバクテリア入れて半年待てなんて言われていた時代がある。今思えばとてもおかしい。何を根拠に水が出来てるとか言うてたんだろうか?ナチュラルシステムの出現で180度考え方が変わってきた。水槽が濾過槽を一体となっている。というと混乱する人が沢山います。以前、ベルリン式もEcoSystemも基本的には同じ様な物といいましたが。スキマーが沢山酸素を水中に溶け込ますか、海藻が光合成をして酸素を溶け込ますかの方法が違うだけで、水槽内のライブロックやサンドが硝化と反硝化をバランスよく行うことで自然に近い貧栄養の環境をつくります。
そのうえで、水流は複雑に強く澱みなく流れる事を必要とします。水中の酸素量が多いほど魚は水質の変化の影響を受けにくいので、ベルリン式の立ち上げ時にアンモニア、亜硝酸が検出する水質でも中毒死しにくいのです。ただし、ダウンドラフトなどの高性能なスキマーの場合ですが。濾過槽でしっかりと酸素を含んだ海水が水槽の中のライブロックにぶつかり濾過されていきます。
メインポンプの循環量が少なければマキシージェットなどで水流をたくさんつけて海水を動かす事が有効です。日本に較べて欧米では良いライブロックが流通していないので、水槽の立ち上げには時間を必要とします。ゆっくりとキュアリングして一度は全ての付着物を殺してしまうほどである。その後、幾度か換水し1ヶ月から2ヶ月かけて生体を投入して行きます。最初はヤドカリや巻貝、うに、などのお掃除屋さん達で、ついでキイロハギなどで藻類の新芽を食べつくさせます。その間、魚にはかわいそうですがエサは与えません。ナチュラルシステムとは生態系と連動するような飼育法でコケを食べる生き物や海藻を食べる生き物など神様が与えた役割を果たすものをバランスよくより自然にシンプルに飼育する事です。
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