私の愛読書の一つにDas Optimale Meerwasser Aquariumという本があります。1980年代にドイツのDupla社の創設者であるHorstE.Kipper氏が書いた本です。フレームA(炎の伯爵魚)ロイヤルグラマー(王様のおばあさん)クダゴンベ(長い口のサンゴの番人)なんて笑うような直訳の本ですが、内容はすばらしく、90年代にすでに日本で発売されていました。
この本が今のReefタンクにひつような殆どの内容を記載しています。水質、光量、水温、システム、水槽、機材、環境など多岐にわたり詳細されています。今それを読んでも古くは思えないし、今もそれを守っていれば十分に飼育出来る。それなのに、日本の海水魚の業界は未だに発展途上です。
この本の発売をしていた、DuplaJapanは数年前に倒産してしまいました。このメーカーの商品を販売していたお店も沢山ありました、しかし実践はされていませんでした。観賞魚の業界に席を置く一人として先人達は一体何をしてきたのだろうか?という思いがします。 お客様からサンゴ水槽で魚は飼えますか?時々ご質問請けます。サンゴが育つ環境で魚が死にますか?もし死ぬとしたら、魚の病気とか喧嘩が原因でしょう。じゃサンゴの育つ水質とはと聞かれて、正しく答えられる店員のいるお店は一体どれくらいあるのだろう?巷ではどんどんと大型出店がされています。ホームセンターや大型スーパーマーケットには問屋さんやメーカーが名前を伏せて出店しています。本来なら、業界をリードする立場の会社が生き残りを掛けてコスト競争をしています。そこには品質が有るのだろうか?消費者は価格だけで判断していいのだろうか?従業員の基礎知識は有るのだろうか?その気になればインターネットから必要な情報はいくらでも入手出来る時代に、飼育を売りにせずに価格を売りにする。そんな競争でホビーストは増えるのだろうか?アメリカの量販店はもっと、しっかりしています。 地方のモールにある店でもサンゴは飼えている、むしろ枝打ちして販売さえしている。また同じことを繰り返すのだろうか?